20代アーリーリタイア生活記

会社に頼らず収入を得られるようになったため20代で退職、自由な人生を歩み出す。

朝が怖くて

   

 

悪い夢を見ることが多くなりました。

すぐにでも横になりたいと思っていたはずなのに、布団に入ってもしばらく眠りにつくことができませんでした。

 

朝が来るのが怖くなりました。

洗顔、朝食、歯磨き、着替え、行動のすべてが会社に繋がる道を歩いているようで、何をするにも憂鬱になりました。

 

 

現実を見ないようにしました。

この先40年近く覆いかぶさる悪夢を直視したら、正気を保てませんでした。

 

家の扉を開けた瞬間、ロボットになりました。

感情が無ければ怒鳴られても嫌な気分にならないし、疲れなければきつい労働も続けることができました。

 

 

会社を辞めるようなことになれば、両親に申し訳ないと思いました。

自分を犠牲にして働き続け、学校に行かせてくれた両親を裏切ることになると思いました。

 

スイッチで制御されたように、会社に行くことが正当化される感情だけ心の中に芽生えました。

 

苦しいけれど、大人になったらみんな我慢して働いているじゃないか。

自分に言い聞かせて、限られた人生の中で時間が早く過ぎ去ってほしいと願う異常な毎日を過ごしました。

 

 

家に帰って、ほんのわずかな休息を楽しむことはできませんでした。

あと数時間で、またあの悪夢がやってくる。

 

心も体も疲れきっているのに、奥底の潜在意識が眠りを妨げます。

寝たらだめ、朝が来るから・・・。

 

 

深い眠りにつくことができず、悪い夢を毎日のように見ました。

どんなに眠れなくても、目覚めの時間は体内に叩き込まれていて、会社に遅刻することはありませんでした。

 

寝不足になり、仕事が手につかなくなりました。

ミスが増え、ただでさえ苦手だった人間関係が一層憂鬱なものになりました。

 

 

休みの日は外に出る気になりませんでした。

眠れない平日の分を稼ぐため、現実から目をそむけるため、昼間から布団にこもることが増えました。

 

布団の中で泣くのが日課になりました。

金曜日はあと三回、土曜日はあと二回、日曜日はあと一回。

睡眠の度に忍び寄る悪夢の影に怯えていました。

 

 

 

ある朝、体が動かなくなりました。

早く起きて準備しろと頭では命じているのに、体が拒否して、立ち上がることができなくなりました。

 

着々と進む時計の針。迫りくる出勤時間。

このまま寝ていれば今日だけは楽になれる。

目の前の誘惑と長年植え付けられた義務感のはざまで、気がつけば汗びっしょりになっていました。

 

 

永遠にも感じられるほど長い葛藤の末、ついに時計の針は一線を越えました。

今から出勤しても、間に合わない。

 

入社以来初めて、当日の朝に欠勤を会社に伝えました。

すみません、体調が優れないので、休みます・・・。

 

 

 

次の日から、何事もなかったかのように悪夢の日々は始まりました。

布団の中で泣いて、悪い夢を見て、たまに体調不良で休むぼろぼろの生活が繰り返されました。

 

人生で初めて、精神科にお世話になりました。

 

 

僕が会社を辞める、少し前の話です。

 

 

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